音合わせに便利な「電子チューナー」を持ってる方は多いと思います(「チューニング・メーター」というのが正式な言い方らしい)
『電子』って付けなくてもいいか…(メトロノームは「電子」じゃないカチカチ動くヤツが今でもあるので「電子メトロノーム」って言いたくなる)
中学とか高校で、半ば「強制的に購入」させられる吹奏楽部もあることでしょう
それだけチューナー(とメトロノーム)って必需品(実際、毎日使うし)
練習中、常時ONにして使ってる人も多いと思います
昔はちょっと重たくて大きくてしかも高価なもので、個人で所有してる人はあまりいませんでした
オーボエの友達が(物理的な)針が動くアナログメーターで、オレンジ色バックライトのチューナー(SEIKO社製?)を持ってて「かっこいー」と思ってました
世界で初めて針式のチューナーを発売したのは日本のコルグ社で、1975年に「WT-10」というモデルを21000円で発売しました(1975年の大卒初任給は89300円なので、今の価値に換算すると4万円くらい?)
その価格でも当時は画期的で、プロ奏者の他に意外にも学校への納入が結構あったそう
それまでは「ストロボ式チューナー」という数十万円〜百万円以上もするドデカいチューナーしかこの世になかったそうで、業務用機材みたいなもの(?)だったようです
「じゃ、どうやって音合わせしてたの?」
生楽器の人が音合わせに使うのは、もっぱら「音叉(おんさ)」←その方が耳が鍛えられそう
1975年はまだ「オートチューナー」は発売されてなくて、「WT-10」では合わせる音を選んでダイヤルをカチャカチャ回してから音を出す感じだったそう
チューナーって、たぶん管楽器よりもギターを弾く人の方が欲しがったのではないかと思います(管楽器は基準の音を合わせたところで他の音が合うわけではないし、温度ですぐに音程変わるし)
その後1983年にローランド社のブランド「BOSS」から、世界初のオートクロマティックチューナー「TU-12」が発売されます(針式とLEDを併用した作り)
そして同じ年にコルグ社からも、オートチューナー「AT-12」が発売されます
出した音をどの音でも自動で認識してくれるのが「オートチューナー」ですが、今の感覚からすると「それってフツーやん?」って感じでしょうか
BOSSはエフェクターなどでギターやベースを弾く人には馴染みのあるブランドですが、管楽器と打楽器の人にはあまり知られてないかも(コーヒーとか洋服の「BOSS」とは関係ない)
1980年代はどんどん新製品が発売される時代
1985年にコルグ社から「DT-1」というカセットテープと同じくらい薄くて小型サイズで、LEDメーターのチューナーが発売されました
「針式」→「LEDメーター」になったのが未来的でカッコよく見えたことと、9500円という学生でもなんとか手の届くお値段
小さくて軽くて持ち運びやすいということもあって、この辺りから吹奏楽やってる人でチューナーを個人所有する率がグッと上がったのでは、と思います
今の感覚だと物理的に動く「針式」メーターの方がカッコよく見えるけど…
その後、メーターに液晶画面が採用されるようになって1990年代はチューナーと電子メトロノームがどんどん小型化、そして安くなってきた頃
安くなって持ってる人も増えてきたけど、人間のワガママは止まらない
「チューナーとメトロノーム、かさばるから1つになればいいのに」
現在主流のチューナーと電子メトロノームがくっついた「チューナー&メトロノーム」が初めて発売されたのは、1990年代後半のBOSSの「TU-80」が最初だと思います(ネットで調べても情報が出てこなかったけど、たぶん合ってると思う)
「チューナーとメトロノームが1つになってる!なんて便利なんだ!感動」
と思ったけど、あっという間にごくフツーな物になりました
今、吹奏楽部の人が一番よく使ってるのは、ヤマハの「チューナーメトロノーム」だと思います
(もちろんチューナーとメトロノーム、同時に使えます)
↑は、2005年に発売されたヤマハブランド初のチューナーメトロノーム「TDM-70」
ロゴはヤマハだけど、中身はコルグ製です
↑は、2012年発売の「TDM-75」
ピンク色とか出てきて、いかにも吹奏楽部女子のウケを狙ってそう
2005年の「TDM-70」、2012年の「TDM-75」、2017年の「TDM-700」に続いて今年2024年に3度目のちょっとした改良があって「TDM-710」にモデルチェンジされました
1000円くらい値上げされて実売価4000円くらいと、けっこーお高いですね
しかもチューナーマイクの接続端子が「標準ジャック」→「ミニジャック」に変更になったので、今までの「標準プラグ(大きめのヤツ)のチューナーマイク」は使えない!
チューナーマイクを日頃使う人が買い換える場合、両方買い換えないといけない…(ヤマハーっ!)
ヤマハのチューナーはコルグ社がOEM生産したものに「YAMAHA」のロゴを付けて、ヤマハ商品として売ってます(実際に作ってるコルグより、OEM供給されてるヤマハの方が圧倒的にシェアが高いですが)
コルグの「TM-70F」とヤマハの「TDM-710」は、ロゴやデザイン以外の中身はまったく同じ商品です
お値段もだいたい同じですが、コルグは「乾電池付き」、ヤマハは「乾電池ナシ」だったりします(ヤマハって商売上手。お店にもよる)
時計で有名なSEIKO(セイコー)社からも似たような「メトロノーム&チューナー(STH200)」が発売されてて、防府ウィンドシンフォニーのメンバーも使ってました
SEIKO最大の特徴は、裏側の上部にスリットが入ってて「譜面台にそのまま付けられる!」こと
単純だけどめちゃめちゃ便利で素晴らしい機能!
の割に、コルグ(ヤマハ)が採用してないのは特許でもあるのかな?
セイコー、コルグ(ヤマハ)、BOSS以外に海外ブランドのチューナーもいろいろ出てるよう
amazonでちょっと調べたら、クリップ式の小型チューナー(たぶん中国のブランド)が850円(送料込み)で売ってました
クリップチューナーというものを世界で初めて発売したのはセイコーだそう
てゆーかスマホの無料アプリのチューナーもたくさんあるので、チューナーなんてもはやタダ同然のもの(?)となってますね
でもスマホの充電が減るからか、アプリのチューナーやメトロノームを使う人って、あまり見かけない気もする
メトロノームのテンポを変えるのに「69→72→76→80」とか数字(BPM)が等比的に進みますが、
「77とか78とか、1つ刻みでテンポを変えて練習したい」と思うことがあります
「それ、やり方知ってるよ」って人の割合、3分の2いない気がする
「テンポ(TEMPO)」のボタンの上下2つを「同時に長押し」することで、数字1つずつ進むか等比的な慣例テンポで進むかを切り替えられます
(知ってる人にとっては当たり前だけど、意外に知らない人多い)
あと、どーでもいい話ですがチューナーの「テスト機能(裏技)」というのがあります
友達のチューナーを借りて「あー!壊れたー」ってイタズラできるので、やりたい方はどうぞ(その後、人間関係がビミョーに悪化しても知りません)
セイコー、コルグ、ヤマハなどから時々キャラクターのデザインが入ったチューナーメトロノームが限定発売されてて、特に女子には大人気
「限定!」に弱い人多いし、実際買いそびれるとなかなか手に入らないキャラクターのチューナーメトロノームも
過去に発売されてたキャラクターデザイン入りチューナー&メトロノームの画像、集めてみました
セイコーは、
コルグはサンリオ系で、
ヤマハはディズニー系で、
楽器小物や楽譜を扱う「ティーダ」から出てた、
その年だけの限定モデルが多いし、超レアなヤツとかもありそう
どのメーカーも、それぞれ色違いやデザイン違いなどまだまだある
全部載せると画像だらけになるので、このあたりにしときますか
「練習するのにチャチャラしたチューナー、使ってんじゃねぇ!」
っていう硬派女子のために「限定!入れ墨極道漆黒ブラックモデル(液晶スモークフィルム付き)」とか発売されないかな?(んなもん出るか)