活動

アインザッツ

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秋の怒涛の連続本番(4週の間に4本番)を無事に終えて、1週練習お休みでした

2週間ぶりの合奏で練習したのは「セドナ」と「ディズニーランド・セレブレーション」

クラシカルな曲をやるのはひさしぶり

ミルククッキーおいしかった

SAKAEのスネアドラムを持ってきたのもひさしぶり

バスクラ!

9〜10月くらいの合奏で、音の出だし(アインザッツ)が合わないことが何度かありました

一旦止まって、最後に弱音の伸ばしの音をみんなで演奏するような時

指揮に合わせて音を出すと、人より先に音が出てしまう

ということが複数のメンバーであって、ゆっくり説明したいけど本番が迫ってて後回しせざるを得ない状況

先に音が出てしまった人は、指揮に合わせようとしただけで何も悪くありません

が!

実際には指揮に合わせて音を出すと、他人より飛び出ててしまうことはよくあります

大人数で音のタイミングを0.0何秒もズレずに全員が合わせるのって、実はめちゃめちゃ高度なことです

「そういうのを合わせるために指揮者がいるんじゃないの?」

そうなんですが、人数が多いほど、そして演奏レベルが高い楽団ほど、指揮者の振り下ろしよりも「遅く」音が出る傾向があります

なぜか?

合わせよう合わせようと意識すればするほど、お互いが他人より飛び出ないように気をつけるからです

吹奏楽を長年やってきた人で、あまり意識してこなかったけど何となくそのように音の出だしのタイミング(アインザッツ)を揃えるコツをつかんできた人もたくさんいます

学校の吹奏楽部で指揮をするのは指揮をちゃんと学んだ訳ではない学校の先生がほとんどですので、

「指揮棒が降りたタイミングで音を出せ!」

なーんて言う先生もけっこういます

でも指揮棒が降りたタイミングって言われても、どこで指揮棒が降りるか、上から下へ、下から上へ向きを変えるかなんてわかりませんよね

そんなことを言う指揮者に限って指揮棒が降りる箇所も下の方だったり上の方だったり、マチマチだし

たまに「打点が…」とか言う人がいますが、「打点」って言葉を使う人って素人さんに多いです

指揮棒の動きに合わせて奏者は音を出してるように見えますが、どちらかと言うと奏者同士の「あうんの呼吸」で合わせてる、と言った方が正しいのです

指揮者はザックリと合図を出すだけで、実際にアインザッツを合わせるのは奏者側に委ねられてると言っても過言ではありません

吹奏楽部員ではないけどピアノが上手い子が、ピアノが入る曲のお手伝いで吹奏楽部の演奏に参加することがあります

そんな場合、だいたい吹奏楽部の生徒よりも「早いタイミングで」音を出してしまうのをよく見かけます

音楽大学でピアノが優秀な学生が初めてコンチェルト(ピアノ協奏曲)でオーケストラと共演する時、なかなかオーケストラと音のタイミングが合わなくて苦労することもよくあります(ピアニストはだいたいマジメなので指揮に合わせようとする)

ピアノを子供の頃から長年習ってきた人でも、人と合わせる「アンサンブル」については経験が少ない(またはまったくない)人がほとんどです

管楽器と打楽器は一人で演奏することの方が少なく、誰かと一緒に演奏していることが多いです

中高生やアマチュアであっても、吹奏楽の経験が多い人は大人数での音の合わせ方を何となく習得してるのです(あまり意識せず、いつの間にか)

高校生の頃にテレビでウィーンフィルの演奏を見た時、指揮者の振り下ろしから1秒近く遅く(大袈裟ではなく)音が出てる箇所があって、

「映像と音声が合ってないのかな?」

と思ったことがあります

ウィーンフィルの演奏を見てるとウソのようにピッタリ音が合っててうっとりする時がありますが、指揮者の腕前というよりは奏者同士の合わせる力量と言った方が正しいです

全員が超一流な音楽家の上さらにオペラハウスでの演奏経験も豊富なので、暗いオーケストラピットの中で音を合わせることにも慣れてます

人と合わせる意識がめちゃめちゃ高い、故に結果的にタイミングが遅くなるのです
(註:遅けりゃいい、ってもんではありません)

ウィーンフィルの場合、たまにあまりに音が出るのが遅くて指揮者がちょっとイラついてるのを見ることもあります

↓はベートーヴェンの交響曲第1番

割と静かな出だし(動画の0分40秒あたり)の曲ですが、指揮者の振り下ろしよりもちょっと遅く音が出るのがわかると思います

最初の音だけじゃなくて、その後もずーっと指揮棒の振り下ろしよりも遅く音が出てる

映像と音声が合ってない訳ではないのです

ウィーンフィルの場合この映像よりももっと遅く、なかなか奏者が音を出さないのもよく見かけます

指揮者に合わせてくれたメンバーは素直で従順に演奏しただけですが、アインザッツを合わせるのってお互いの呼吸と経験が必要とされます

それには全体合奏よりもアンサンブルの練習を重ねるのが一番

いろんな人やいろんな楽器と一緒に演奏することで、合わせることがどんどん上手くなっていきます

その延長上に全体合奏があるのです

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