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風になりたい

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10月1日(日)の「天神まちかどフェスタ(ほうふ市民活動フェスタ2023)」で演奏する候補曲「風になりたい」の楽譜を配布しました

THE BOOMの1994年発売のアルバム「極東サンバ」から後にシングルカットされた曲で、海外でもカバーされるなど今でも人気のある曲です

ブラジルのミュージシャンによるカラッとしたサンバと違ってなんだかジメっとした感じがしますが、そこが「おー、ジャパンのサンバねー」って感じに聴こえて逆に海外の人に新鮮に思われるのかも

サンバはブラジルの国民的な音楽で、その歴史や背景そして奥深さは短い文章で片付けることなんてできません

日本人からすると「ラテン音楽の楽しいヤツでしょ」くらいの感覚ですが、どうもラテン音楽は雑に扱われることが多いような気が

国だけでもブラジル、キューバ、アルゼンチン、メキシコ、ジャマイカ、ペルー、ベネズエラ、まだまだ他にも多くの国のいろんな音楽をめちゃめちゃざっくりまとめて「ラテン音楽」と言われてます

さらにルーツがアフリカだったり、アメリカで発展したりして、地球の半分以上が絡んできた音楽と言えます

サンバは基本的には野外で歩きながら演奏できる「二拍子」の曲ですが(その意味では行進曲に近いかも。右足左足)、楽譜だと「四分の四拍子」の16ビートで書かれることが多いです(吹奏楽のド定番曲「宝島」とか

そして音楽だけではなくて、切り離すことのできないダンスやカルナヴァル(カーニバル)も含めて「サンバ」ってことになります

世界最大級のお祭り「リオのカーニバル」

サンバで使うブラジル特有の打楽器は当然ながら、野外で「歩きながら」演奏できる打楽器になります

パンデイロ(ブラジル風タンバリン)、スルド(フロアタム or バスドラムを持ち歩ける感じにしたヤツ)、タンボリン(名前がタンバリンに似てるけど全然違うヤツ)、クイーカ(NHK「できるかな」のゴン太くんの声、でわかる?)、アゴゴ(カンカンココン、ってヤツ)、アピート(サンバ・ホイッスル)、他にもたくさんあります

パンデイロの演奏動画(これ一つでドラムセットの代わりになる!)

「サンバ」ってひとことで言ってもリズムやスタイルはものすごくたくさんあって、分類するとしたらたぶん軽く100種類以上あるという奥深さ

スルドの演奏動画(「宝島」に合わせて)

ちなみに「ボサノヴァ」は、1960年前後にサンバから派生して新しく生まれた音楽です

おしゃれカフェなんかで「これでもか」っていうくらいボサノヴァが流れてたりするので、音楽好きはむしろ「ボサノヴァお腹いっぱいですー」って感じで遠ざけたくなる人もいますが、それくらい日本でも今だに人気ってことですね

吹奏楽ポップスの楽譜「ニューサウンズインブラス」で1981年に発売されたサンバの有名曲「ブラジル(岩井直溥さん編曲)」は日本全国の吹奏楽部でさんざん演奏されてきたので「やったことあるよ」って人も多いと思いますが、当時の編曲は本物のサンバとはずいぶんかけ離れたものでした

曲の冒頭は「ボンゴのロール(どソロ)」で始まるのですが、手で演奏すると音量が出ないのとロールがやりにくいのでスティック(ばち)で叩く学校が多かったようです

「ボンゴ」や「コンガ」はキューバ音楽の主要楽器ですが、サンバでは本来使いません(ボンゴ、歩きながら演奏できないしー

ニューサウンズインブラスの「ブラジル」の(悪)影響だけではありませんが、サンバでボンゴやコンガを使ったり、ボンゴをスティックで叩くことは今だに多いです(そういう指定がある曲もあるし、絶対にダメって訳でもないけどー

クイーカ(Cuica)の音

「ブラジル」って曲、有名だけどタイトルが国名と同じだし調べにくいせいもあるのか曲の由来とかはあまり知られてないよう

タンバリンじゃなくて「タンボリン(Tamborim)」の音

元々はアリー・バホーゾ(Ary Barroso)さん、って人が1939年に作曲した「Aquarela do brasil(ブラジルの水彩画)」という曲

最初はヒットしなかったけど1942年のディズニー映画「Saludos Amigos(ラテンアメリカの旅)」で使われたのをきっかけに英語の歌詞が付けられて「Brazil(ブラジル)」という曲名になってアメリカを中心に大ヒット→現在にいたる、って感じのようです(そんなディズニー映画、知らんけど

ディズニー映画「ラテンアメリカの旅」の『ブラジルの水彩画』のシーン

日本で松平健のおふざけシリーズの一つとして2004年に発売された「マツケンサンバ2」は、おふざけの割りによくできた魅力的な曲だったので大ヒットして今でもよく耳にします

歌詞は冒頭から「♪叩けボ〜ンゴ〜♪」ですが、もちろんサンバで本来ボンゴを使わないことはココまで読んでいただけた方ならわかると思います(テキトー歌詞もほどほどに

アゴゴ(Agogo)の演奏動画

日本人がブラジル音楽もキューバ音楽も区別がつかなくてごっちゃにしてしまうのは、(ちょっと前の)ハリウッド映画に出てくる日本人役が「どこが日本人やねん!」みたいな人だったり後ろのセットだったりするのと似てる気がします

キアヌ・リーブス主演「47RONIN」の1シーン(日本だそうです

アメリカ人からすると日本も韓国も中国もたいして変わらん、って思う人が多いんでしょう

2021年の東京オリンピックの開会式か閉会式で「マツケンサンバ2」を(ホンキで!)使おうみたいな論調があって、世界に恥をさらしそう(ブラジル人が聞いたら大爆笑「どこがサンバやねん状態」)で勝手にヒヤヒヤしました(結局使われなかったけど、当たり前か

「JA山口県(元 農協)」のTV-CMで1990年代から今でも放映されている曲で「貯金サンバ(チョッキン・サンバ)」ってのがあります

歌詞は
「♪みんなみんなでー、踊ろうよサンバ(サンバ!)、パパもママも貯金でサンバ(ウー!)♪」

KRY山口放送(日テレ系列)で今でもよく聞きますが、山口県だけのローカルCM

「ウー!」の掛け声はペレス・プラードの「マンボ」の掛け声から取られてるのは間違いないでしょう(だからサンバじゃないっつーの

その後の歌詞は
「♪がんばら なくっちゃ、がんばら なくっちゃ♪」

がんばってJAに貯金しろ、ってことのようです(怖

そして歌い終わった後、曲の一番最後の方(後奏)ではスティールパン(スチールドラム)風な音で、トリニダード・トバゴとかのカリブ海の音楽「カリプソ」みたいなフレーズになります(サンバよ何処へ

サンバは素晴らしい音楽ですが「てきとーサンバ」にならないよう、がんばら なくっちゃ

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