トランペットの初めての見学者さんと、2度目の見学の方に来ていただけました

今日はトランペットセクションが5人集まって、鳴り響く音は豪華絢爛
競馬場にファンファーレでも吹きに行くかー(パカッ ひひ〜ん

ぜひお2人ともまた来ていただきたいです
そして次の本番、3月3日(日)の「フェスタ・アスピラート2024」でお手伝いいただくテューバ奏者の方にも来ていただけました

素晴らしい音色とリズム感で、楽団全体が俄然ノってきます
音楽の中のベースってホントに重要と、思い知ります

アンサンブルコンサートを終えて、ひさびさの全体合奏
練習したのは「銀河鉄道999」「アンダー・ザ・シー」「おどるポンポコリン」

音符の長さとアーティキュレーションをひとつひとつ丁寧に確認していくと、だんだん演奏にノリが出てきた
管楽器は音を「短く」吹くのが、実は難しい

短い音で「打楽器的に」リズムを出せるとカッコよいのですが、しっかりとした奏法(基礎)ができてないと「グシャ」っと汚い音になってしまいます

そういうリスクもあるので、特に学校の吹奏楽部では音に「とぅわぁん」と余韻をつけるような吹き方をみんなしてしまいます(先輩がそう吹くので、後輩もマネする)
それが当たり前で、音を短く吹いちゃいけないような雰囲気

そういう習慣の吹奏楽人にとって音を短く吹くのは慣れないし「高度な」テクニックに感じますが、上手く演奏できれば効果絶大
Tutti(トゥッティ)で「ザッ」とか「ダッ」って、短い音が塊(かたまり)になって聴こえてくるとかなりカッコ良いです(良い音色、良いアタック、良い音程が必須)

ジャズやポップス曲以外の、クラシック音楽でも音を短く演奏するべき箇所はたくさんあります
NHK交響楽団元首席トランペット奏者の津堅直弘先生が、関西のあるプロオーケストラの演奏を聴いて「短く演奏できないんだよね(レベルが低い)」と言ってました

プロの演奏家でも音を短く演奏するのは難しいのです
ほとんどのシンフォニーに出てくるスケルツォ楽章を「軽妙に」「軽快に」「軽やかに」演奏するのは、「たっぷり歌い込んで」とか「壮大でダイナミックに」演奏するのと同じように難しいことです
楽譜にスタッカート以外にも「secco」とか「sec.」と書かれてるのを時々見かけると思いますが、「短く」という意味です
「余韻を残さない」とか「響きを止める」とか「乾いた感じで」とか「歯切れよく」ってニュアンス

シンバル(打楽器)の楽譜で「secco」が出てきたら、叩いた後シンバルを体に当てたり手で押さえたりして響きを止めます
(シンバルの場合「choke(チョーク=英語)」って書かれてることもあります)

楽譜に書かれてる言葉(楽語)はイタリア語が多いですが、イタリア語の「secco」は英語だと「dry(ドライ)」に該当します(イタリアのワインの風味を表すのにも「secco」って言葉が使われます)
湿度の高い日本だと、なおさら「乾いた」感じで演奏するのはイメージが湧かないのかな?

吹奏楽コンクール全国大会の中学高校が「どぅわ〜〜んん」って余韻を残す演奏が主流だったのも、現在まで残る悪習の原因だと思います
余韻を美しく残すのも難しいし時にはとても効果的なのですが、日本の吹奏楽の演奏は常に余韻を過度に残す演奏が多いので聴いてて閉口する時があります

「全国大会金賞」の学校がやったりすると「あーやれば金賞獲れる」と、日本中の学校がただただ真似するのです
音楽の専門家じゃない学校の先生が指導したり指揮したりするので、そういう勘違いがよく起こります

吹奏楽コンクール全国大会で1977年〜2011年くらいに主に使われた東京都杉並区の普門館という会場は、5000人くらい収容できるという点で重宝されてきましたが、大きすぎて響きは良くない会場でした(耐震強度不足で2018年に解体)
1970年代にベルリンフィルと一緒に来日した指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンが反響版などを変更させたのが原因という話も聞きますが、ホール自体が巨大すぎてそもそも音楽向きではなかったと言った方が正しいと思います(もともと音楽専用ホールじゃないし

ベルリンフィルが普門館を使ったのは、当時はまだ東京にもまともなコンサートホールはほとんどなかったから(サントリーホールができたのが1986年)あと、一公演での収益が大きいからです(コンサートホールは大きくても収容人数2000名以下が主流)
普門館での吹奏楽コンクールで演奏を良く聴かせるには、巨大音量と奏者の方で作った余韻が必要と考えられてたので(一理ありますが)、いわゆる「爆音系」と言われる演奏や気持ちの悪い「過度な余韻」が正義となってしまったのです

その影響が今でもホントに残ってて、どこの学校の吹奏楽部に行っても「とぅわぁーん」って感じで変な余韻を残す感じで吹く人が多いです
伸ばす音の最後を丁寧にまとめるのはとても良いことですが、例えばポップス曲で出てくる八分音符を「ダッ」と短く歯切れよく演奏できない人がほとんどです(できない、と言うかやってはいけないと思い込んでる

ホール(を含む演奏環境)って、演奏に与える影響がすごく大きい
練習する部屋も、適度に響いて適度にデッド(響きすぎない)、そして適度に広いのがベストですが、なかなかそういう環境で練習できることはありません

今回の練習日は防府天満宮の「牛替神事(うしかえしんじ=節分祭)」の日でした
明治時代初期までは節分→立春が今の大晦日→元日だったので、これからがホントの新年(辰年)ということで気持ちも新たに充実した活動をしていきたいと思います

楽団の見学も大歓迎でお待ちしてます
トランペット奏者が50人になったとしても、もちろん大歓迎ですよ!
