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楽器とお値段

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楽器は高価です

こどもが中学生になって吹奏楽部なんかに入って、
「楽器買って!」
「うん、いくらするの?」
「(○○ちゃんが買ってもらった楽器)50万円くらいだって」
「(!!!!!)ウソでしょ?」

びっくりする親もたくさんいます

もっと安い楽器もありますが、学校の吹奏楽部にある楽器と同じランクの楽器を買おうとすると平気で数十万円します

世界の楽器メーカー、ヤマハは各楽器で低価格から高価格までラインナップ分けをしていて、そういった経営手腕もあって大楽器メーカーに成長してきました

欧米の老舗メーカーは、以前は「最善か否か(All or Nothing)」みたいな感じで一切妥協しない最高品質にこだわった楽器作りをすることが多かったです

なので「高いモデルと安いモデルで選べる」ということはあまりありませんでした

買う側からすると「お値段のハードルが高い」→「買うのを諦める」となっていたのです

それが1970年代くらいの金管楽器に始まり、その後木管楽器まですべての管楽器をヤマハは低価格帯から取り揃えるようになって、管楽器の裾野を世界に広げていきました

わざわざ品質や機能を落として、安いランクのモデルをラインナップに加えていたような(あざとい)側面もあります

たぶん最初は、
「アジアの楽器メーカーが、イマイチだけど安い管楽器を作り出したらしいよ」
くらいに思われてたのが、どんどん売れて頻繁にモデルチェンジ(改良)したりするのもあって、欧米の老舗楽器メーカーもヤマハを無視できない状態に

そしてヤマハは最近ではちょっとブランド化して「いい楽器メーカー」という感じになってますが、それに比例するようにどんどん値上がりしてます

1980年代くらいからはJUPITER(ジュピター)などの台湾の楽器メーカーが、その後中国の楽器メーカーがさらに安価な管楽器を作るようになって、今では信じられないくらい安い価格で楽器が手に入るようになりました

もはや世界中の誰でも気軽に管楽器を始められるようになったのは、ヤマハとアジアの楽器メーカーによる功績と言えます

ちなみにヤマハの現在のラインナップで「一番安いモデル」の、だいたいの実売価が↓です

フルート 7万円
クラリネット 8万円
アルトサックス 12万円
トランペット 7万円
ホルン 23万円
トロンボーン 10万円
ユーフォニアム 19万円
テューバ 33万円

けっこう高いですよね
でも、ホルンはFシングル、ユーフォ・テューバは3本ピストン、クラリネットは樹脂製(プラ管)だったりします(楽器初心者が見ても見劣りする)

さらにヤマハとは言え、作ってるのは日本じゃなくて中国などの外国だったりします(高価なモデルは日本製)

この金額を出して子どもに楽器を買ってあげようとしても、

「それだったら学校にあるヤツの方がいい楽器だし」

とか言われてしまうのです(う…親としてのプライドが

学校の吹奏楽部にあるのよりも2ランクも3ランクも「下の」楽器になってしまうので、結局買うとなるともっと「上の」ランクの楽器を買いたくなります

「amazonで安い新品トランペットが13000円で売ってるけど、こういうの買っても大丈夫?」

と、みんな思ったりします

安価な管楽器はだいたい中国製(かインド製)ですが、内容はホントに千差万別です(把握しきれないくらいたくさんのブランドがあって、すぐ消えたりもする

楽器本体に書いてあるメーカー名(ブランド名)みたいなのが英語だったりアルファベットの文字だったりするので、一瞬「アメリカかヨーロッパのメーカー?」と思いますが、中国製です

以前は本当にまったく使い物にならない(まともに音が出ない)ような楽器もありましたが、最近は急速に進化していて、そうでもなくなってきました

日本の楽器店がプロデュース、品質管理をして製造だけ中国でやってるような楽器もたくさんあって、そういう楽器は予想よりもはるかに「まとも」な楽器です

日本の楽器店「サウンドハウス」がプロデュースして中国で作られてるトランペットPTTR-200 16800円(新品、税込み、送料込み)
マウスピース代でもケース代でもなくて、マウスピース+ケース+楽器本体、全部で16800円!信じられない
アメリカのモネット社のトランペットマウスピース、新シリーズの「Unity(ユニティ)」は、実売価8万円!
マウスピースのみです(パラレルワールドから来たマウスピース??

ノウハウのある「楽器工場」のような所が中国にいくつかあるようで、複数のブランドの楽器を同じ工場で作ってたりします

ただ会社が変わったり倒産したり楽器の細部がコロコロ変わったり流動的なので、購入後のメンテナンス面が一番ネックになります

例えば買った後にぶつけたりして修理したい時に、楽器店や修理工房でもパーツが手に入らないことがあるのです

ちょっとしたパーツでもサイズが合わないと使えないので、それを一から作ったりするととんでもない修理額になることもあります

「2万円で買ったクラリネット、修理に持っていったら3万円かかるって言われた!」

「(いや、コントか)だから中国製の楽器なんてやめといた方がよかったのにー」

ということも実際に起こりえますが、逆に壊さなければすごく安い金額で楽器を楽しめた、とも言えます

金管楽器は購入後によっぽど大きくぶつけたりしなければ、修理や調整などのメンテナンスはあまり必要ありません

木管楽器はパッド(タンポ)などの消耗品や、最低でも年に1回くらいは調整に出さないとまともには演奏できなくなるので、その点で中国製の楽器はリスクが高いです

楽器店によっては「中国製の(木管)楽器は修理できません」と明言しているお店もあるほどです

ですがこれも考え方を変えると、せいぜい2〜3年使えればいい、極端な話「使い捨て」というような使い方ができる訳です(「楽器が可哀そう」と思う方、あなたは優しい人です)

楽器でもスポーツジムでも、興味があって始めたけどすぐにやめる人はたくさんいます

そういう人にとっては「2〜3年使えれば十分、その後さらに続けたくなったらもっといい楽器を買い直す」
ということもできます

ヤマハの良いところは品質管理がしっかりしてる点で、例えば

「学校にある昭和55年のシールが貼ってるボロボロの楽器がついに壊れて音が出なくなったけど、修理に出したら数千円で治った」

というようなことが実際にあります

今の↑は極端な例ですが、40年前の楽器と現在の楽器でパーツがほぼ共通で、しかもピッタリ合ってすぐに修理できるようなこともあるのです(合わない場合もあります

学校の部活で使う楽器としては特に、長年に渡って安心して使える、という点で
「やっぱヤマハはいいね〜」となるのです(日本人の几帳面さが功を奏したんだね〜

一流メーカーの高級な楽器を持ってる人は珍しくないですし、吹奏楽部の中高生でも数十万円どころか100万円越えのMy楽器を持ってる人を見かけることがありますが、正直「贅沢やな〜」と思うこともあります

大人は特にそうですが、楽器という「ハード」面も大事だけど、楽譜を買う、レッスンを受ける、コンサートに行く、といった「ソフト」面ももっと大事にすればいいのに

と思う時もあります

モノとして残る楽器(ハード)の方にお金をかけたくなる気持ちも、わからなくはないですが

個人的には
「楽器に情熱をかけるのは素敵、でも安価な楽器でも十分、大事に使ってる人はもっと素敵」
てな感じです

そして楽器の値段なんかに関係なく、よく練習していい音を聴かせてくれる人はサイコーにカッコ良い

大型連休などで時間のある時に、サボりがちだった楽器のお手入れでもしてみましょう

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