楽団の活動再開が待ち遠しいところですが、今日は自宅での練習方法などについてです
木管楽器、金管楽器、打楽器、コントラバスと、それぞれの種類の中でもさらにいろんな楽器があるので、なかなか難しいところですが、金管楽器に関しては練習用サイレントミュートのようなものがたくさん発売されるようになってきました
1980年代にデニス・ウィックから「プラクティス・ミュート」というのが発売されて、これは画期的かも!と思われましたが、実際に使ってみると消音性能はいまひとつで、吹いたときの抵抗感はかなりキツめで、フウォーッ!と息を入れて、び〜〜んと鳴るくらいのものでした

「それ、学校の吹奏楽部にあったよ」という人も結構いると思いますが、静かに練習するというよりは、しっかり息を入れる訓練になる、というような別の使われ方をされている方も多かったと思います
このプラクティス・ミュートは、今でも売ってます
その後、1995年にヤマハから「サイレントブラス」のトランペット用が発売されました

大きめのミュート→本体→イヤフォンを耳につけて聴きながら音を出すと、実際に部屋で音を出している感じに近い感覚で練習できるもので、すごい発明だということで、世界中でかなり売れたと思います
その後、他の金管楽器用のサイレントブラスも次々に発売されました
本体とイヤフォンを使わなくても、耳に聴こえる音色は変わりますがミュート部分だけでも使えるし、電池やACアダプター、イヤフォンがわずらわしかったりして、結局ミュート部分だけで使われることの方が多かったかもしれません
あとミュート部分が結構重かったので、ずっと練習していると腕が疲れるのと、楽器からボトッっと落ちてしまうこともよくありました
そんな欠点を補うように、2013年にはモデルチェンジしてミュート部分も本体もかなり小型軽量化されて現在にいたります
その前の2001年くらいに、ヤマハにいた濱永さんという方が独立してベストブラスという会社を作って、「ウォームアップ」という、サイレントブラスとはコンセプトの違う消音器を発売しました

かなり小さくて軽くて消音性能も素晴らしく、吹いたときの抵抗感もほぼ違和感なし、そしてお値段も結構安い、という衝撃的な内容でした
この写真のは旧型のものですが、いちばん気に入って使っているものです
最初は舞台袖で本番直前に音出しをしたい人のために作られたのだと思いますが、普段の家での練習になんの問題もなく使えてかなり便利です
そんな訳でその後、他社からも似たような消音性能重視の金管楽器用の練習用ミュートがたくさん発売されています
それぞれ微妙に違いがあるので、その人が気にいるものを使うのがいいと思います
トランペット用だと5000円くらいから、ユーフォニアム用だと大きいのでたぶん20000円くらいしますが、中古品がメルカリなどでもたまに売られていますので、気長に探せばお安く手に入ると思います

2000円くらいで売られているとつい衝動買いしてしまいます
どれも楽器の音の出口をウレタンかコルクでふさいで、中は空洞、先っぽの中央にストローのような細長い「管」が付けられています
ただそれだけのシンプルな作りなのですが、最初に考えついた人はすごいと思います

素材は金属、プラスティック、木、紙のような(ファイバー?)ものだったりと、いろいろあります
ペットボトルやコーヒーの缶とかを使って自作もできるので、作ってみるのも楽しいと思います